お箏の口前を覆っているのが「口前袋(くちまえぶくろ)」です。口前は龍口や龍舌がある大切なところですが、意外と壊れやすいため、この口前袋で保護していますから、必要不可欠なもの。必ず付けておきましょう。

この口前袋は音色には関係ないのですが、お箏の見映えを大きく左右するアイテムなのです。ピンクの花柄なら、お箏本体も可愛らしい印象になるし、西陣風ならお箏も豪華に見えるから不思議と言えます。

消耗品ですので、摺れてきたら交換しますが、今回は使わなくなった「名古屋帯」を使って、リメイクすることにしました。思ったよりも簡単に出来ましたので、お時間がある方は是非チャレンジしてみて下さい!

(1)用意するもの

①使っていた口前袋
※端が摺れてしまっています。このままでは見っとも無いですから、今回はこちらを使うことにしました。


②名古屋帯
※口前袋に使いたい模様の箇所を、10㎝×65~70cmにカット


③厚紙・手芸用ボンド・白のメンディングテープ
※すべて100円ショップで購入できます


④ハサミ・定規・マイナスドライバー・脱脂綿



(2)作り方

①まずは、口前袋の底をドライバーを使って外します。


②次に、口前袋の上側にメンディングテープを貼ります。
口前袋が緩い場合はメンディングテープを二重に貼っても良いですが、口前袋のサイズがキツイ時は、要注意!テープの厚みで、口前袋が入らなくなることもありますね。


③メンディングテープが1~2mm見える位残して、口前袋にカットした布をボンドで貼って下さい。
綺麗に貼るコツは、布でなく口前袋の方にボンドを付けること。布のつなぎ目は、口前袋が平になっている側にくるようにします。


④底の部分は口前袋に沿って折り、ボンドで固めます。


⑤①で剥がした口前袋を厚紙に当てて、型を取って下さい。
さらに型から2~3㎝余白を取って、余った名古屋帯の布を裁断します。


⑥布と型紙の間に脱脂綿を入れます。
脱脂綿は中央が膨らむ程度の量で充分でしょう。

その後、型紙を包み込むように折ってボンドで貼ります。


⑦更に口前の上下をボンドで貼って、終了です。
古い口前袋の中は変色している場合もありますが、口前袋は普段は付けっ放しですから・・・気にしない。気にしない。結構綺麗な口前袋の完成です!



意外と簡単にできるので、積極的にチャレンジしてみよう!

名古屋帯の折りジワを気にしなければ、1枚の帯で10組口前袋のリメイクができます。口前袋も正絹なら数千円しますから、リメイクにチャレンジしてみて下さい。
慣れたら1つ30分くらいで作れますよ。お揃いの口前も個性的です!